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桑原淳司建築設計事務所による、大阪の「南堀江の眼科」。繁華街に近い地域での医院の新築計画。同業他者との差別化も目指し、煉瓦を透積して光を当てる“人々を優しく照らし出す行灯”の様な外観の建築を考案。内装では患者や来訪者が“落ち着ける雰囲気”も意識
桑原淳司建築設計事務所による、大阪の「南堀江の眼科」。繁華街に近い地域での医院の新築計画。同業他者との差別化も目指し、煉瓦を透積して光を当てる“人々を優しく照らし出す行灯”の様な外観の建築を考案。内装では患者や来訪者が“落ち着ける雰囲気”も意識外観、北側の道路より建物全体を見る、夜景 photo©大竹央祐
桑原淳司建築設計事務所による、大阪の「南堀江の眼科」。繁華街に近い地域での医院の新築計画。同業他者との差別化も目指し、煉瓦を透積して光を当てる“人々を優しく照らし出す行灯”の様な外観の建築を考案。内装では患者や来訪者が“落ち着ける雰囲気”も意識1階、エントランス側から待合と受付を見る、夜景 photo©大竹央祐
桑原淳司建築設計事務所による、大阪の「南堀江の眼科」。繁華街に近い地域での医院の新築計画。同業他者との差別化も目指し、煉瓦を透積して光を当てる“人々を優しく照らし出す行灯”の様な外観の建築を考案。内装では患者や来訪者が“落ち着ける雰囲気”も意識3階、診察室 photo©大竹央祐

桑原淳司建築設計事務所が設計した、大阪の「南堀江の眼科」です。
繁華街に近い地域での医院の新築計画です。建築家は、同業他者との差別化も目指し、煉瓦を透積して光を当てる“人々を優しく照らし出す行灯”の様な外観の建築を考案しました。また、内装では患者や来訪者が“落ち着ける雰囲気”も意識されました。

眼科クリニックの移転新築工事です。

敷地は、大阪を代表する繁華街「心斎橋」や「アメリカ村」にほど近い立地でありながら落ち着いた雰囲気で住みやすく、最寄り駅からは徒歩2分の利便性の高い場所にあります。

間口5.4m×奥行16mの敷地形状を最大限活用できるよう間口一杯に計画した建物は、外壁面から隣の敷地境界線まで30cmしかなく、11階建てマンションと3階建て事務所が隣接している状況で、技術的な観点から施工業者探しが難航しました。

建築家によるテキストより

建築には他のクリニックと差別化できるような上質さや美しさ、また患者さんやスタッフの皆さんが落ち着いた雰囲気を感じられるような空間が求められました。

建築家によるテキストより

1階の天井には外部から建物内部に連続したルーバーが取り付けられています。73本のルーバーの形状はすべて異なり、それぞれの頂点同士を結ぶと内部へと誘うような斜めのラインが見えてきます。ルーバーの上には換気や空調、照明、音響などの設備機器が隠れていて、メンテナンスができるように1本1本全て取り外しできるようになっています。

ファサードには、支持方法を詳細に検討し構造計算により安全を確認した上で、385mm幅のレンガを隙間を空けながら積み上げ、背面に照明を設置しました。この街に帰ってくる人々を優しく照らし出す行灯のような存在になっていってほしいと思います。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2024/9/9-9/15]
最も注目を集めたトピックス[期間:2024/9/9-9/15]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2024/9/9-9/15)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 藤本壮介事務所が受注候補者に選定された、仙台の「(仮称)国際センター駅北地区複合施設」の最終審査公開プレゼンの動画。最終候補者には、北澤伸浩事務所、山田紗子事務所+BPDL+佐藤慎也研究室、昭和tデYetB、日建設計も名を連ねる。審査員は、青木淳、西沢立衛、冨永祥子、岩間友希、髙橋新悦。2024年9月に行われたもの
  2. 藤本壮介事務所が受注候補者に選定された、仙台の「(仮称)国際センター駅北地区複合施設」の提案書が公開。最終候補者の、北澤伸浩事務所、山田紗子事務所+BPDL+佐藤慎也研究室、昭和tデYetB、日建設計のものも公開。審査員は、青木淳、西沢立衛、冨永祥子、岩間友希、髙橋新悦
  3. SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(前編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる
  4. SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる
  5. 平山健太建築設計事務所による、東京・文京区の住戸改修「白山の住宅」。大きな緑地に面した角の区画。大きな柱や梁がない“RC壁式構造”の躯体に着目し、構造体と内装に“丁寧な関係”をつくる設計を志向。工事の簡素化も意図し“造作家具と建具”を用いて間仕切る計画を考案
  6. 境原桃太+境原彩香 / 境原建築設計事務所による、愛知・半田市の「間の家」。北側接道の三方を囲まれた敷地。“外との親密さ”と“囲まれた落ち着く場”の両極端な要望に対し、環境のポジティブな要素の収集から計画を開始。片側に寄せた母屋から細長い“間の空間”を突出させる構成を考案
  7. 森清敏+川村奈津子 / MDSによる、埼玉・北葛飾郡の「鷲巣の走馬棟」。増築を重ねた歴史ある禅寺の改修。一期工事では住まいである“庫裏”を対象とし、公私の動線の整理と視線の抜けを意識した計画を志向。既存の瓦屋根が連なる佇まいを“継承”しながらの“進化”も意図
  8. teamSTARによる、神奈川・横須賀市の「Villa A」。眼前に海が広がる敷地。海底を思わせるホールから“貝殻をイメージした螺旋階段”を登り、富士山と海に向けた“アーチ屋根”に覆われた主要階に到達する構成を考案。屋根の形は土地の高低差に合わせ階段状とする
  9. 山口誠デザインによる、東京・台東区の、オフィスビル「MONOSPINAL」(竣工前)。ゲーム制作会社の本社。従業員の“集中力”と“リラックス”のバランス確保を目指し、環境要素も向上をさせる“斜壁”を持つ建築を考案。小スケールの素材を集積をさせる仕上げで“あらたな風景”を作る
  10. 青木淳・西沢立衛・冨永祥子らが審査する、仙台市の「(仮称)国際センター駅北地区複合施設」設計プロポの実施要領が公開。応募要件は比較的低めに設定
  11. オンデザインの内装デザインによる、大阪市の「QUINTBRIDGE」。交流と共創を促すオープンイノベーション施設。協働の場に必要な“オープンでフレキシブル”に応えつつ、集団の中でも“緊張せず過ごせる”場を志向。距離や視線を什器等で細かく“チューニング”して空間を作る
  12. ファラによる、ポルトガルの美術館“MAAT”での、アート展の会場構成「cesariny」。現地のシュルレアリズムを代表する画家の展覧会の為に計画。作品群が“関係性と挑発”の中で並ぶように、“過度に形式的な部屋”に“非形式的な二つの面”を配置。構造体は“軽やかでありながら無限”を意図
  13. 大西麻貴+百田有希 / o+hによる、TOTOギャラリー・間での建築展「生きた全体――A Living Whole」。“生きた全体”を思索して創作する建築家の展覧会。建築を“生き物”と捉え、機能や性能を越えて“愛しみ、育てていく”存在として造り上げた作品群を紹介
  14. トラフ建築設計事務所による、東京・墨田区の店舗「塩をまぜる店『ぐるぐるしゃかしゃか』」。商業施設の中の角の区画での計画。与件を活かし、“二方向から出入り”を可能として“大きなL字のカウンター”を設置する構成を考案。壁面への600個の塩の陳列は対応の効率化と視覚的な充実感の向上を意図
  15. OpenAとケース・リアルによる、佐賀・嬉野市の「UPLIFT SHIMOJYUKU+MILKBREW COFFEE URESHIO ONSEN」。新設駅の駅前広場に建つカフェ兼ラボ。どの方向からも目に入る敷地の特性に着目し、四方をガラス窓とした回遊性のある“正方形平面”の建築を考案。建設費の高騰などに対応する為に“システム建築”を流用して造る
  16. 西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築
  17. 宮崎晃吉 / HAGISOによる、東京・台東区の飲食店「noie」。住宅の一部を改修したワインバー。地域住民の“もうひとつの家”を目指し、厨房を多角形のカウンターで取り囲んで“自然と会話が生まれるような”距離感を創出。空間演出や店の在り方を考慮して様々な色も用いる
  18. ダービット・ビーランダーによる、金で出来ているのに、段ボール製にしか見えないブレスレットシリーズ「cardboard」の写真
  19. 山口誠デザインによる、東京・台東区のオフィスビル「MONOSPINAL」。ゲーム制作会社の本社。従業員の“集中力”と“リラックス”のバランス確保を目指し、環境要素も向上をさせる“斜壁”を持つ建築を考案。小スケールの素材を集積をさせる仕上げで“あらたな風景”を作る
  20. 平田晃久建築設計事務所による、東京の、住宅・ギャラリーからなる複合ビル「Tree-ness House」

坂茂へのインタビュー動画。高松宮殿下記念世界文化賞の受賞を記念して2024年9月に公式で公開されたもの SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる
SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる左奥:「時代のポシェ」鈴木淳平、中央:「溝口一丁目のテナントビル」上野辰太朗+篠原勲、右手前:「小さな森の図書館」高池葉子+尾野克矩+佐藤緋里+浜田英明、 photo©architecturephoto
SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる左手前:「房総の別荘」寺本健一、右手前:「Soil Tent 2024」秋田亮平+金田充弘+伊藤優+関田重太郎+Fang Sitao+南昂希+糸数海音+細田晃太+八木新平、左奥:「corners いくつもの世界をすごす家」板谷優志+石井優希、右奥:「森のなかの幸せ工場 ―250mの屋根がつくりだす風景と居場所―」柿木佑介+廣岡周平+中尾壮宏+岩岡孝太郎 photo©architecturephoto

SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(後編)です。
“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件の建築コンペティションで、若手建築家の登竜門としても知られています。本記事では展覧会の様子を前編・後編に分けて紹介します。会期は2024年9月13日~22日。SDレビュー2024の審査を務めたのは、青木淳中山英之山田憲明金野千恵でした。展覧会の公式サイトはこちら

SDレビューとは

SDレビューは、実際に「建てる」という厳しい現実の中で、設計者がひとつの明確なコンセプトを導き出す思考の過程を、ドローイングと模型によって示そうというものです。
実現見込みのないイメージやアイデアではなく、実現作を募集します。
1982年、建築家・槇文彦氏の発案のもとに第1回目が開催され、以降毎年「建築・環境・インテリアのドローイングと模型」の展覧会とその誌上発表を行っております。

以下、入選作品を展示順に掲載します。

【ap job更新】 ハイエンドな住宅や商業施設を対象とし、建築やインテリアからアートまでも手掛ける「株式会社アイケイジー」が、建築設計とバックオフィスのスタッフを募集中
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ハイエンドな住宅や商業施設を対象とし、建築やインテリアからアートまでも手掛ける「株式会社アイケイジー」の、建築設計とバックオフィスのスタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

現在は、業務拡大に伴い設計スタッフ(正社員)とバックオフィスのスタッフを1~2名程度募集しています。

国内、海外の商業・オフィスをはじめとする内装設計から、スーパーハイエンドな戸建て住宅の建築・マンションのインテリアデザイン、モデルルームまで、多岐にわたる業務を手掛け、多くの国内外の賞を受賞しています。

建築、インテリアから家具、アート、備品までトータルにディレクションしています。そのため、社員教育にも力を入れ、一丸となって良いデザインへの挑戦のためあなたの力が必要です。

私たちは、チームでプロジェクトを進めていきクライアントとだけではなくスタッフ間のコミュニケーションを大切にしています。
様々なことを一緒に楽しみながら業務ができる、明るく前向きな人材を求めています。
向上心と責任感をもって建築設計に向き合っていける方、長く一緒に働いて信頼関係を築ける方を歓迎いたします。

SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(前編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる
SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(前編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる左手前:「あおいさんかく屋根」砂越陽介、右手前:ヒルサイドテラス+ヒルサイドウエストの模型、左奥:「収集と組み合わせのポイエティーク」三輪和誠+普川陽菜+山田伸希、右奥:「みどりまちの群像劇」横井創馬 photo©architecturephoto
SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(前編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる左:「TOOLHUT」大澤さほり、右:「模様の混交」澤伸彦+吉海早瑛+市江龍之介、奥:「Adaptive Design & Assembly System Utilizing Reclaimed Timbers」木内俊克+バルナ・ゲルゲイ・ペーター+戸村陽+岩見遙果+近藤誠之介+西村穏 photo©architecturephoto

SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(前編)です。
“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件の建築コンペティションで、若手建築家の登竜門としても知られています。本記事では展覧会の様子を前編と後編に分けて紹介します。会期は2024年9月13日~22日。
SDレビュー2024の審査を務めたのは、青木淳中山英之山田憲明金野千恵でした。展覧会の公式サイトはこちら

SDレビューとは

SDレビューは、実際に「建てる」という厳しい現実の中で、設計者がひとつの明確なコンセプトを導き出す思考の過程を、ドローイングと模型によって示そうというものです。
実現見込みのないイメージやアイデアではなく、実現作を募集します。
1982年、建築家・槇文彦氏の発案のもとに第1回目が開催され、以降毎年「建築・環境・インテリアのドローイングと模型」の展覧会とその誌上発表を行っております。

以下、入選作品を展示順に掲載します。

西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築
西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築外観、南側より見る。 photo©大木宏之
西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築外観、北東側より見る。 photo©大木宏之
西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築外観、北東側より見る。 photo©大木宏之
西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築正面:オフィス、右:インスペクションA photo©大木宏之

西島光輔 / Inrestudioが設計した、ベトナム・クアンビン省の「The Gamelle」です。
海沿いに建つ製品検査を行う実験棟です。建築家は、用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案しました。また、視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築しました。

ベトナム中部の工場内にある、製品検査を行う小さな実験棟である。
敷地末端の海沿いに立地し、見晴らしの良い建物が想定される一方、プログラムの性質上むやみに潮風を引き入れるわけにもいかない。外郭は機能的な部屋と外部空間を取り囲み、ポーラスな構成は内外環境の調停を図っている。
パヴィリオンのように目を引くと同時に、反対側の風景に視線が通る曖昧な建物を目指した。

建築家によるテキストより

飯盒形の外郭で建物を包み込み、潮風や砂塵から身を守る。外郭の閉曲線は内外の境界を明確に規定するが、凹曲面が海岸を向いていることで、内部からは海に開かれているように感じる。半割にした現地の煉瓦を並べることで独特の表情を持った外装は、潮風への耐久性を高めるとともに、周囲の蔦を絡めとれば建物を緑で彩るだろう。

建築家によるテキストより

建物の外周にぐるりと配置された大小様々な開口部は、外から眺める視点の移動によって、互いに重なっては反対側の景色を透過したり、離れては景色を遮断したりを繰り返す。ガラスのある窓は室内の活動を映し出し、ない窓は中庭の風景を露わにする。椰子の並木が中庭を横断し、ソリッドな実体は断片的な透明性を獲得する。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 人々が交流する“居場所”の設計を得意とし、建築賞の受賞歴も多い「アイダアトリエ」が、設計スタッフ(既卒・2025年新卒)を募集中
【ap job更新】 人々が交流する“居場所”の設計を得意とし、建築賞の受賞歴も多い「アイダアトリエ」が、設計スタッフ(既卒・2025年新卒)を募集中
【ap job更新】 人々が交流する“居場所”の設計を得意とし、建築賞の受賞歴も多い「アイダアトリエ」が、設計スタッフ(既卒・2025年新卒)を募集中コードマーク御代田

人々が交流する“居場所”の設計を得意とし、建築賞の受賞歴も多い「アイダアトリエ」の、設計スタッフ(既卒・2025年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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第50回東京建築賞において、東京都建築士事務所協会会長賞(コードマーク御代田)と戸建住宅部門 奨励賞(Ten Pillars House)をダブル受賞した、株式会社アイダアトリエが業務拡大のため、「設計スタッフ(正社員または契約社員)」を募集します。

私たちは、公共図書館や宿泊施設、民間による地域拠点施設等、人々が集まり交流する新しい居場所の設計を得意としています。
アトリエや組織設計を問わず協働での設計や、家具デザイナーや照明デザイナー等、他分野の専門家とのコラボレーションの機会も多くあります。また、スタッフと一緒にアイディアを出し合って設計を進めるなど、プロジェクトを通して、多くのことを吸収し成長できる多様なアトリエ環境の創出にも努めています。

現在、静岡県立中央図書館(新築)の実施設計(C+A・アイダアトリエ・日建設計(エンジニアリング)設計企業体)、軽井沢のクリニック(新築)や御代田町をはじめ複数の住宅(新築)の基本設計および実施設計、温浴施設(改修)の監理など、大小のプロジェクトが進行中です。

アトリエは、路地裏の雰囲気を残す街、東京・神楽坂の坂の上、赤城神社すぐ横の坂道に面する1階に位置しています。
神社からのお囃子の音や街の往来の雰囲気を直に感じながら、風通しのよい環境で日々設計に取り組んでいます。徒歩5分圏内に設計したホステル&カフェ「UNPLAN Kagurazaka」(スタッフと一緒に度々ランチにいきます)があり、アトリエと地域とのつながりを大切にしたいと考えています。

また、15年以上継続して、長野県の軽井沢・御代田エリアでの仕事が多いのも特徴です。「コードマーク御代田」に代表される民間による活動拠点や、多くの移住者の方々の住宅等の設計を手がけており、現在もプロジェクトが進行中です。スタッフやインターン生をつれ、東京を抜け出してリフレッシュも兼ねて田植えに参加、見学会を開催するなどしています。

経験者は能力に応じて優遇しますが、未経験者も含め、これまでのアイダアトリエの仕事に共感し、楽しんで設計に取り組めそうだと感じた方、好奇心と向上心にあふれる方の応募をお待ちしています。

【ap job更新】 研究所やオフィス等の“イノベーション”に特化した「プラナス株式会社」が、意匠設計・内装設計・設備設計の正社員(既卒・経験者・新卒)を募集中
【ap job更新】 研究所やオフィス等の“イノベーション”に特化した「プラナス株式会社」が、意匠設計・内装設計・設備設計の正社員(既卒・経験者・新卒)を募集中
【ap job更新】 研究所やオフィス等の“イノベーション”に特化した「プラナス株式会社」が、意匠設計・内装設計・設備設計の正社員(既卒・経験者・新卒)を募集中

研究所やオフィス等の“イノベーション”に特化した「プラナス株式会社」の、意匠設計・内装設計・設備設計の正社員(既卒・経験者・新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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『ひらめきの瞬間』をつくる仲間募集!

あなたのチカラで日本のイノベーションを促進させませんか?

町工場の再生から日本を代表する企業の本社や研究所、ノーベル賞を生み出す国の研究機関など、日本の未来に価値のあるプロジェクトがあなたをお待ちしております。

私たちは研究所やオフィスなどの「イノベーション」に特化した日本唯一の建築設計事務所(※当社調べ)です。
従来のラボのイメージを覆すような「発見が生まれる場」=『ひらめきの瞬間』を創り続け、圧倒的な実績を有します。

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■働き方のイメージ
社内のプランナー、エンジニアとチームを組み、プロジェクトに参画。ワークショップやヒアリングを通じてクライアントの研究所で実現したい「未来」を見据えた、設計を行います。企業、研究所のトップと直接話し合いながら、あるべき研究開発のカタチを問い、プログラミングから建築設計のみならずブランディング戦略まで研究所をゼロから創り上げていきます。自然と建築のみならずコンサル、CI・VI デザインの領域まで相談を受けることが多いです。単なる「箱」づくりではなくソフトの領域まで、専門設計事務所だからこそ、深い提案ができます。

teamSTARによる、神奈川・横須賀市の「Villa A」。眼前に海が広がる敷地。海底を思わせるホールから“貝殻をイメージした螺旋階段”を登り、富士山と海に向けた“アーチ屋根”に覆われた主要階に到達する構成を考案。屋根の形は土地の高低差に合わせ階段状とする
teamSTARによる、神奈川・横須賀市の「Villa A」。眼前に海が広がる敷地。海底を思わせるホールから“貝殻をイメージした螺旋階段”を登り、富士山と海に向けた“アーチ屋根”に覆われた主要階に到達する構成を考案。屋根の形は土地の高低差に合わせ階段状とする俯瞰、西側より見る。 photo©千葉顕弥
teamSTARによる、神奈川・横須賀市の「Villa A」。眼前に海が広がる敷地。海底を思わせるホールから“貝殻をイメージした螺旋階段”を登り、富士山と海に向けた“アーチ屋根”に覆われた主要階に到達する構成を考案。屋根の形は土地の高低差に合わせ階段状とする地下1階、エントランスホールと螺旋階段。 photo©千葉顕弥
teamSTARによる、神奈川・横須賀市の「Villa A」。眼前に海が広がる敷地。海底を思わせるホールから“貝殻をイメージした螺旋階段”を登り、富士山と海に向けた“アーチ屋根”に覆われた主要階に到達する構成を考案。屋根の形は土地の高低差に合わせ階段状とする1階、テラスとエントランスドアを見る。 photo©千葉顕弥
teamSTARによる、神奈川・横須賀市の「Villa A」。眼前に海が広がる敷地。海底を思わせるホールから“貝殻をイメージした螺旋階段”を登り、富士山と海に向けた“アーチ屋根”に覆われた主要階に到達する構成を考案。屋根の形は土地の高低差に合わせ階段状とする1階、リビングからテラスとプール越しに海を見る。 photo©千葉顕弥

佐竹永太郎+奥野幹 / teamSTARが設計した、神奈川・横須賀市の「Villa A」です。
眼前に海が広がる敷地での計画です。建築家は、海底を思わせるホールから“貝殻をイメージした螺旋階段”を登り、富士山と海に向けた“アーチ屋根”に覆われた主要階に到達する構成を考案しました。また、屋根の形は土地の高低差に合わせ階段状としました。

秋谷海岸に位置することから名づけられたこのヴィラからは、日本のヨット文化発祥の地である葉山町近郊の太平洋を一望できる。
敷地は南西向きの丘の斜面にあるが、屋根は富士山に向かって西向きに配置されている。

建築家によるテキストより

地下1階のエントランスホールは海底を思わせ、白い螺旋階段は深海から海面に向かって上昇する螺旋状の貝殻をイメージしている。
階段の最上階からは、太平洋の印象的な眺望が広がる。建物の構成は、敷地特有の高低差に合わせたもので、アーチ型の屋根の階段状のグラデーションがそれを物語っている。

建築家によるテキストより

環境への影響を最小限に抑えるため、床面は敷地の自然勾配に沿った高さとし、搬出・搬入する土の量を減らしている。エントランス、リビングルーム、ダイニングルーム、ロフトエリア、設備の整ったキッチンからは、それぞれ独自のオーシャンビューを楽しむことができる。また、エメラルドグリーンの床はサンゴ礁や浅瀬の海を連想させ、メインフロアの配色はヨットに乗っているような印象を与える。

建築家によるテキストより
坂茂が、高松宮殿下記念世界文化賞(第35回 2024年度)を受賞

坂茂が、高松宮殿下記念世界文化賞(第35回 2024年度)を受賞しています。建築部門での受賞となっています。リンク先に経歴や業績がまとまっています。また、受賞記念の講演会が2024年11月20日に開催されます(要事前申込)。

SOMPO美術館での展覧会「カナレットとヴェネツィアの輝き」の入場チケットをプレゼント。18世紀の“ヴェドゥータ(景観画)”の巨匠の展覧会。アルド・ロッシが自身の概念“類推的都市”を説明する為に言及した画家でもある
SOMPO美術館での展覧会「カナレットとヴェネツィアの輝き」の入場チケットをプレゼント。18世紀の“ヴェドゥータ(景観画)”の巨匠の展覧会。アルド・ロッシが自身の概念“類推的都市”を説明する為に言及した画家でもある展覧会ポスター image courtesy of SOMPO美術館
SOMPO美術館での展覧会「カナレットとヴェネツィアの輝き」の入場チケットをプレゼント。18世紀の“ヴェドゥータ(景観画)”の巨匠の展覧会。アルド・ロッシが自身の概念“類推的都市”を説明する為に言及した画家でもあるカナレット《カナル・グランデのレガッタ》、1730-1739年頃、ボウズ美術館、ダラム The Bowes Museum, Barnard Castle, Co. Durham,England

SOMPO美術館での展覧会「カナレットとヴェネツィアの輝き」の入場チケットを抽選でプレゼントいたします。
18世紀の“ヴェドゥータ(景観画)”の巨匠の展覧会です。また、アルド・ロッシが自身の概念“類推的都市”を説明する為に言及した画家でもあります。会期は、2024年10月12日~2024年12月28日まで。展覧会の公式ページはこちら
入場チケットプレゼント企画の応募締切は、2024年10月4日(金)13時まで(お申込みにはGoogleアカウントが必要になります)。こちらのフォームからご応募ください。厳正な抽選を行い当選された方にはメールにてご連絡いたします(メール送付を当選発表にかえさせていただきます)。

18世紀、ヴェドゥータの巨匠 日本初の展覧会

ヴェドゥータ(景観画)の巨匠カナレット(1697-1768)の全貌を紹介する日本で初めての展覧会です。スコットランド国立美術館など英国コレクションを中心に、油彩、素描、版画など約60点で構成します。カナレットによる緻密かつ壮麗なヴェネツィアの描写を通じ、18世紀の景観画というジャンルの成立過程をたどるとともに、その伝統を継承し、ヴェネツィアの新たなイメージを開拓していった19世紀の画家たちの作品もあわせてご紹介します。

リリーステキストより

以下に、詳細な情報を掲載します。

平山健太建築設計事務所による、東京・文京区の住戸改修「白山の住宅」。大きな緑地に面した角の区画。大きな柱や梁がない“RC壁式構造”の躯体に着目し、構造体と内装に“丁寧な関係”をつくる設計を志向。工事の簡素化も意図し“造作家具と建具”を用いて間仕切る計画を考案
平山健太建築設計事務所による、東京・文京区の住戸改修「白山の住宅」。大きな緑地に面した角の区画。大きな柱や梁がない“RC壁式構造”の躯体に着目し、構造体と内装に“丁寧な関係”をつくる設計を志向。工事の簡素化も意図し“造作家具と建具”を用いて間仕切る計画を考案ダイニングからリビングを見る。 photo@見学友宙
平山健太建築設計事務所による、東京・文京区の住戸改修「白山の住宅」。大きな緑地に面した角の区画。大きな柱や梁がない“RC壁式構造”の躯体に着目し、構造体と内装に“丁寧な関係”をつくる設計を志向。工事の簡素化も意図し“造作家具と建具”を用いて間仕切る計画を考案リビングからキッチンへ通路を見る。 photo@見学友宙
平山健太建築設計事務所による、東京・文京区の住戸改修「白山の住宅」。大きな緑地に面した角の区画。大きな柱や梁がない“RC壁式構造”の躯体に着目し、構造体と内装に“丁寧な関係”をつくる設計を志向。工事の簡素化も意図し“造作家具と建具”を用いて間仕切る計画を考案リビングからダイニングを見る。(ベッドルームの引戸を閉じた状態) photo@見学友宙

平山健太建築設計事務所が設計した、東京・文京区の住戸改修「白山の住宅」です。
大きな緑地に面した角の区画に計画されました。建築家は、大きな柱や梁がない“RC壁式構造”の躯体に着目し、構造体と内装に“丁寧な関係”をつくる設計を志向しました。そして、工事の簡素化も意図し“造作家具と建具”を用いて間仕切る計画を考案しました。

室内面積約57㎡のマンション住戸のリノベーション計画。
コンパクトな住戸ではあるが、角部屋であると共に大きな緑地にも面しており、小さいながらも豊かな生活像を思い描ける住戸であった。

建築家によるテキストより

本建物はRC壁式構造であり、プランニングに制限はあるが、大きな柱や梁が無いため目に見える構造体の厚みが小さく、コンパクトな住居のスケール感にとてもフィットしていた。スケルトンになった空間を見ながら、そのような実感をもとに、内装デザインにおいても構造体と丁寧な関係をつくるように設計をした。

建築家によるテキストより

工事を簡素化するために、間仕切壁はできるだけ作らないようにし、主に造作家具と建具でプランを構成するように計画した。この工夫はコンパクトな住居に軽やかさと広がりを与えることにも繋がっている。

夫婦と小さな子供が暮らすこの家では、キッチンが生活像の中心にあった。
キッチンをプランの中心に据え、キッチンカウンターに立つとダイニングやデスクスペース、寝室に目が届くよう意図した。また、キッチンの奥が行き止まりにならないようにリビングへ通じる導線を設けている。回遊性のある導線は小さな住居を狭く感じさせない工夫にもなっている。

建築家によるテキストより
境原桃太+境原彩香 / 境原建築設計事務所による、愛知・半田市の「間の家」。北側接道の三方を囲まれた敷地。“外との親密さ”と“囲まれた落ち着く場”の両極端な要望に対し、環境のポジティブな要素の収集から計画を開始。片側に寄せた母屋から細長い“間の空間”を突出させる構成を考案
境原桃太+境原彩香 / 境原建築設計事務所による、愛知・半田市の「間の家」。北側接道の三方を囲まれた敷地。“外との親密さ”と“囲まれた落ち着く場”の両極端な要望に対し、環境のポジティブな要素の収集から計画を開始。片側に寄せた母屋から細長い“間の空間”を突出させる構成を考案外観、北側の道路より見る。 photo©ToLoLo studio 田島ナナ
境原桃太+境原彩香 / 境原建築設計事務所による、愛知・半田市の「間の家」。北側接道の三方を囲まれた敷地。“外との親密さ”と“囲まれた落ち着く場”の両極端な要望に対し、環境のポジティブな要素の収集から計画を開始。片側に寄せた母屋から細長い“間の空間”を突出させる構成を考案外観、南側の庭より建物全体を見る。 photo©ToLoLo studio 田島ナナ
境原桃太+境原彩香 / 境原建築設計事務所による、愛知・半田市の「間の家」。北側接道の三方を囲まれた敷地。“外との親密さ”と“囲まれた落ち着く場”の両極端な要望に対し、環境のポジティブな要素の収集から計画を開始。片側に寄せた母屋から細長い“間の空間”を突出させる構成を考案1階、畳スペース側から「間」のスペース全体を見る。 photo©ToLoLo studio 田島ナナ
境原桃太+境原彩香 / 境原建築設計事務所による、愛知・半田市の「間の家」。北側接道の三方を囲まれた敷地。“外との親密さ”と“囲まれた落ち着く場”の両極端な要望に対し、環境のポジティブな要素の収集から計画を開始。片側に寄せた母屋から細長い“間の空間”を突出させる構成を考案1階、左:ユーティリティ、中央:「間」のスペース、右:ソファスペース photo©ToLoLo studio 田島ナナ

境原桃太+境原彩香 / 境原建築設計事務所が設計した、愛知・半田市の「間の家」です。
北側接道の三方を囲まれた敷地です。建築家は、“外との親密さ”と“囲まれた落ち着く場”の両極端な要望に対し、環境のポジティブな要素の収集から計画を開始しました。そして、片側に寄せた母屋から細長い“間の空間”を突出させる構成を考案しました。

名古屋市の郊外にゆとりを持って区画された古い住宅地の一画。近隣と比べて半分程度(約13m×11m)の敷地に夫婦と2人の子どものための住まいを計画する。
複数台の駐車スペースを求められることが多い郊外においては十分な広さといえない。水捌けが良くないせいか湿っぽく、北側道路で三方には隣家が迫りこちらに影を落としている。幼少期をここで過ごした施主は家の中が薄暗かったことを記憶しているという。

夫婦は家の広さに固執しておらず、それぞれが心地よく過ごせる居場所を求めた。
地面を眺めて暮らしたいという共通点はあったが、蓋を開けてみれば2人の気質は両極端なものだった。アウトドアが趣味で外部を親密に感じられる場所を好む夫。一方で、窓が少なく壁に囲まれたちいさな場所が落ち着く妻。仕事柄家族と生活リズムが異なる夫は、気兼ねなく過ごせる居場所も望んだ。

建築家によるテキストより

広くて開放的な一体空間が相応しいとは思えないし、いくら経済的とはいえこの限られた敷地条件下でむやみに四角い箱を置くと、陰鬱とした隙間を残して光や空気の流れを遮ってしまう。土地の豊かさを損ねないよう、必要諸室を整理して建築のボリュームを抑え、散りばめられた手掛かりを丁寧に扱いながら豊かな余白を残すことで、夫婦の不揃いな要望を一括りに受容できてしまいそうな大らかな場所を目指したいと考えた。

建築家によるテキストより

敷地のポジティブな部分を拾い集めていくことを意識して計画を進めた。
観察していると、家々に囲まれていても日照時間が長い箇所はある。隣家の外壁は午後の光を柔らかく反射する。旗竿敷地の竿(路地)は約束された空地と捉えることができる。広い庭と一部二階建ての近隣が多いため、視線が抜ける部分もあるし、二階レベルで捉えるとより開放性は高い。こちらを向く隣家の裏側は窓が少なく、それほどプライバシーが損なわれていない。囲まれたちいさな敷地は路地裏の小広場のような安堵感が漂う。

こうした恩恵が期待できる敷地東側を保存するために、安らぐ居場所と水廻り等の機能をコンパクトにまとめた総二階の母屋をできるかぎり西側に寄せた。そのうえで、母屋から余白に向かって手を伸ばすように、三叉路状に交差する渡殿(建物間を結ぶ廊下)のような空間を挿入した。

建築家によるテキストより
ファラによる、ポルトガルの美術館“MAAT”での、アート展の会場構成「cesariny」。現地のシュルレアリズムを代表する画家の展覧会の為に計画。作品群が“関係性と挑発”の中で並ぶように、“過度に形式的な部屋”に“非形式的な二つの面”を配置。構造体は“軽やかでありながら無限”を意図
ファラによる、ポルトガルの美術館“MAAT”での、アート展の会場構成「cesariny」。現地のシュルレアリズムを代表する画家の展覧会の為に計画。作品群が“関係性と挑発”の中で並ぶように、“過度に形式的な部屋”に“非形式的な二つの面”を配置。構造体は“軽やかでありながら無限”を意図 photo©francisco ascensao
ファラによる、ポルトガルの美術館“MAAT”での、アート展の会場構成「cesariny」。現地のシュルレアリズムを代表する画家の展覧会の為に計画。作品群が“関係性と挑発”の中で並ぶように、“過度に形式的な部屋”に“非形式的な二つの面”を配置。構造体は“軽やかでありながら無限”を意図 photo©francisco ascensao
ファラによる、ポルトガルの美術館“MAAT”での、アート展の会場構成「cesariny」。現地のシュルレアリズムを代表する画家の展覧会の為に計画。作品群が“関係性と挑発”の中で並ぶように、“過度に形式的な部屋”に“非形式的な二つの面”を配置。構造体は“軽やかでありながら無限”を意図 photo©francisco ascensao

ファラが設計した、ポルトガルの美術館“MAAT”での、アート展の会場構成「cesariny」です。
現地のシュルレアリズムを代表する画家の展覧会の為に計画されました。建築家は、作品群が“関係性と挑発”の中で並ぶように、“過度に形式的な部屋”に“非形式的な二つの面”を配置しました。また、構造体は“軽やかでありながら無限”を意図しています。展覧会の公式ページはこちら※会期は終了しています


こちらは建築家によるテキストの翻訳です

過度に形式的な部屋の中に、非形式的な二つの面があります。壁とテーブル。
セザリニーと彼の友人たちの芸術が、関係性と挑発の中で並んでいます。
その構造は、手段の経済性に関わらず、軽やかでありながら無限です。

藤本壮介事務所が受注候補者に選定された、仙台の「(仮称)国際センター駅北地区複合施設」の提案書が公開。最終候補者の、北澤伸浩事務所、山田紗子事務所+BPDL+佐藤慎也研究室、昭和tデYetB、日建設計のものも公開。審査員は、青木淳、西沢立衛、冨永祥子、岩間友希、髙橋新悦

藤本壮介建築設計事務所が受注候補者に選定された、仙台の「(仮称)国際センター駅北地区複合施設[音楽ホール・中心部震災メモリアル拠点]」の提案書が公開されています。
最終候補者の、北澤伸浩建築設計事務所山田紗子建築設計事務所+BPDL+佐藤慎也研究室設計共同体、昭和tデYetB設計共同企業体(昭和設計tデYOKOMAE et BOUAYAD)、日建設計の提案書も公開されています。審査員は、青木淳、西沢立衛、冨永祥子、岩間友希、髙橋新悦でした。

(仮称)国際センター駅北地区複合施設基本設計業務委託に係る公募型プロポーザルにて提出された技術提案書および実施方針を公開します。

以下は提案書と実施方針へのリンクです。

【基本設計業務受注候補者】
藤本壮介建築設計事務所

【次点者】
山田紗子建築設計事務所+BPDL+佐藤慎也研究室設計共同体

北澤伸浩建築設計事務所

昭和tデYetB設計共同企業体

日建設計

また、最終審査公開プレゼンテーションの動画はこちらで閲覧可能です。

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