丸山晴之+野澤真佑 / ヒャッカによる、福井・勝山市の飲食店「+ヒトマメ」。食品製造企業が新規事業で運営する大豆食品の魅力を伝えるカフェ。未経験の業態への挑戦に対し、建築や体験の“在り方”にまで立ち返って設計。積雪の為の大屋根が特徴的な地域の“風景のひとつ”となる建築を考案外観、南東側より見る。 photo©市川靖史
丸山晴之+野澤真佑 / ヒャッカによる、福井・勝山市の飲食店「+ヒトマメ」。食品製造企業が新規事業で運営する大豆食品の魅力を伝えるカフェ。未経験の業態への挑戦に対し、建築や体験の“在り方”にまで立ち返って設計。積雪の為の大屋根が特徴的な地域の“風景のひとつ”となる建築を考案外観、東側よりエントランス部分を見る。 photo©市川靖史
丸山晴之+野澤真佑 / ヒャッカによる、福井・勝山市の飲食店「+ヒトマメ」。食品製造企業が新規事業で運営する大豆食品の魅力を伝えるカフェ。未経験の業態への挑戦に対し、建築や体験の“在り方”にまで立ち返って設計。積雪の為の大屋根が特徴的な地域の“風景のひとつ”となる建築を考案正面:飲食スペース、右:オープンカウンター photo©市川靖史
丸山晴之+野澤真佑 / ヒャッカが設計した、福井・勝山市の飲食店「+ヒトマメ」です。
食品製造企業が新規事業で運営する大豆食品の魅力を伝えるカフェです。建築家は、未経験の業態への挑戦に対し、建築や体験の“在り方”にまで立ち返って設計しました。そして、積雪の為の大屋根が特徴的な地域の“風景のひとつ”となる建築を考案しました。店舗の場所はこちら(Google Map)。
霊峰白山を背にした山並みとともにある勝山市、そして報恩講を通じて大豆料理に親しみがある福井県。
+ヒトマメは福井県勝山市にある冷凍きざみ油揚げの製造を生業とする山一食品の新規事業である。山一食品は多くの製造業同様、コロナ禍の折に企業運営の岐路にたたされ、ポストコロナ社会への変化に対応するため新規事業の実施に踏み切った。
新規事業はカフェという形式が選択された。
その目的はお客様との直接の接点となるカフェを通じて大豆食品とその食文化の魅力を発信すること、その魅力をさらに高めること。これにより山一食品が将来にわたって地域に愛され、発展し続ける企業へと成長するというストーリーだ。一方、山一食品は創業以来料飲施設の運営実績はなく、本事業は大きな挑戦でもあった。
よって私たちはそのストーリーの実現のため、お客様にどのような体験を提供すべきか、そのために必要な建築はどのようなものか、対話を重ねて計画を具現化していった。
ひと冬のうちに何度も雪下ろしをする勝山では、雪にまつわる多様なふるまいに呼応する大きな屋根を持った家屋が山あいに拡がっている。+ヒトマメは、その風景のひとつになることを目指した。
寄棟のボリュームは地表面の雪と屋根雪が繋がらないよう軒先を高くした。軒下空間は奥行を深くして堆雪と窓の間に空隙をつくり、堆雪の荷重により窓が破損すること防いでいる。
深い軒は夏季には店舗内への直射日光を遮り、涼しげな日陰をつくるとともに、白山の稜線が織りなす美しい景観を内部に取り込む。この軒の操作により、通年で閉塞感なく快適で安全な店舗運営が可能となった。
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丸山晴之+野澤真佑 / ヒャッカによる、福井・勝山市の飲食店「+ヒトマメ」。食品製造企業が新規事業で運営する大豆食品の魅力を伝えるカフェ。未経験の業態への挑戦に対し、建築や体験の“在り方”にまで立ち返って設計。積雪の為の大屋根が特徴的な地域の“風景のひとつ”となる建築を考案外観、南西側より見る。 photo©市川靖史
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丸山晴之+野澤真佑 / ヒャッカによる、福井・勝山市の飲食店「+ヒトマメ」。食品製造企業が新規事業で運営する大豆食品の魅力を伝えるカフェ。未経験の業態への挑戦に対し、建築や体験の“在り方”にまで立ち返って設計。積雪の為の大屋根が特徴的な地域の“風景のひとつ”となる建築を考案外観、南東側より見る。 photo©市川靖史
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丸山晴之+野澤真佑 / ヒャッカによる、福井・勝山市の飲食店「+ヒトマメ」。食品製造企業が新規事業で運営する大豆食品の魅力を伝えるカフェ。未経験の業態への挑戦に対し、建築や体験の“在り方”にまで立ち返って設計。積雪の為の大屋根が特徴的な地域の“風景のひとつ”となる建築を考案外観、南側より全体を見る。 photo©市川靖史
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丸山晴之+野澤真佑 / ヒャッカによる、福井・勝山市の飲食店「+ヒトマメ」。食品製造企業が新規事業で運営する大豆食品の魅力を伝えるカフェ。未経験の業態への挑戦に対し、建築や体験の“在り方”にまで立ち返って設計。積雪の為の大屋根が特徴的な地域の“風景のひとつ”となる建築を考案外観、北西側より見る。 photo©市川靖史
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丸山晴之+野澤真佑 / ヒャッカによる、福井・勝山市の飲食店「+ヒトマメ」。食品製造企業が新規事業で運営する大豆食品の魅力を伝えるカフェ。未経験の業態への挑戦に対し、建築や体験の“在り方”にまで立ち返って設計。積雪の為の大屋根が特徴的な地域の“風景のひとつ”となる建築を考案外観、東側よりエントランス部分を見る。 photo©市川靖史
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丸山晴之+野澤真佑 / ヒャッカによる、福井・勝山市の飲食店「+ヒトマメ」。食品製造企業が新規事業で運営する大豆食品の魅力を伝えるカフェ。未経験の業態への挑戦に対し、建築や体験の“在り方”にまで立ち返って設計。積雪の為の大屋根が特徴的な地域の“風景のひとつ”となる建築を考案エントランス側から飲食スペースとオープンカウンターを見る。 photo©市川靖史
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丸山晴之+野澤真佑 / ヒャッカによる、福井・勝山市の飲食店「+ヒトマメ」。食品製造企業が新規事業で運営する大豆食品の魅力を伝えるカフェ。未経験の業態への挑戦に対し、建築や体験の“在り方”にまで立ち返って設計。積雪の為の大屋根が特徴的な地域の“風景のひとつ”となる建築を考案正面:飲食スペース、右:オープンカウンター photo©市川靖史
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丸山晴之+野澤真佑 / ヒャッカによる、福井・勝山市の飲食店「+ヒトマメ」。食品製造企業が新規事業で運営する大豆食品の魅力を伝えるカフェ。未経験の業態への挑戦に対し、建築や体験の“在り方”にまで立ち返って設計。積雪の為の大屋根が特徴的な地域の“風景のひとつ”となる建築を考案飲食スペース photo©市川靖史
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丸山晴之+野澤真佑 / ヒャッカによる、福井・勝山市の飲食店「+ヒトマメ」。食品製造企業が新規事業で運営する大豆食品の魅力を伝えるカフェ。未経験の業態への挑戦に対し、建築や体験の“在り方”にまで立ち返って設計。積雪の為の大屋根が特徴的な地域の“風景のひとつ”となる建築を考案飲食スペースからオープンカウンター側を見る。 photo©市川靖史
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丸山晴之+野澤真佑 / ヒャッカによる、福井・勝山市の飲食店「+ヒトマメ」。食品製造企業が新規事業で運営する大豆食品の魅力を伝えるカフェ。未経験の業態への挑戦に対し、建築や体験の“在り方”にまで立ち返って設計。積雪の為の大屋根が特徴的な地域の“風景のひとつ”となる建築を考案飲食スペース photo©市川靖史
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丸山晴之+野澤真佑 / ヒャッカによる、福井・勝山市の飲食店「+ヒトマメ」。食品製造企業が新規事業で運営する大豆食品の魅力を伝えるカフェ。未経験の業態への挑戦に対し、建築や体験の“在り方”にまで立ち返って設計。積雪の為の大屋根が特徴的な地域の“風景のひとつ”となる建築を考案飲食スペースからエントランス側を見る。 photo©市川靖史
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丸山晴之+野澤真佑 / ヒャッカによる、福井・勝山市の飲食店「+ヒトマメ」。食品製造企業が新規事業で運営する大豆食品の魅力を伝えるカフェ。未経験の業態への挑戦に対し、建築や体験の“在り方”にまで立ち返って設計。積雪の為の大屋根が特徴的な地域の“風景のひとつ”となる建築を考案外観、東側よりエントランス部分を見る、夜景 photo©市川靖史
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丸山晴之+野澤真佑 / ヒャッカによる、福井・勝山市の飲食店「+ヒトマメ」。食品製造企業が新規事業で運営する大豆食品の魅力を伝えるカフェ。未経験の業態への挑戦に対し、建築や体験の“在り方”にまで立ち返って設計。積雪の為の大屋根が特徴的な地域の“風景のひとつ”となる建築を考案外観、東側の駐車場より全体を見る、夜景 photo©市川靖史
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丸山晴之+野澤真佑 / ヒャッカによる、福井・勝山市の飲食店「+ヒトマメ」。食品製造企業が新規事業で運営する大豆食品の魅力を伝えるカフェ。未経験の業態への挑戦に対し、建築や体験の“在り方”にまで立ち返って設計。積雪の為の大屋根が特徴的な地域の“風景のひとつ”となる建築を考案外観、西側より全体を見る、夜景 photo©市川靖史
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丸山晴之+野澤真佑 / ヒャッカによる、福井・勝山市の飲食店「+ヒトマメ」。食品製造企業が新規事業で運営する大豆食品の魅力を伝えるカフェ。未経験の業態への挑戦に対し、建築や体験の“在り方”にまで立ち返って設計。積雪の為の大屋根が特徴的な地域の“風景のひとつ”となる建築を考案配置図 image©ヒャッカ
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丸山晴之+野澤真佑 / ヒャッカによる、福井・勝山市の飲食店「+ヒトマメ」。食品製造企業が新規事業で運営する大豆食品の魅力を伝えるカフェ。未経験の業態への挑戦に対し、建築や体験の“在り方”にまで立ち返って設計。積雪の為の大屋根が特徴的な地域の“風景のひとつ”となる建築を考案平面図 image©ヒャッカ
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丸山晴之+野澤真佑 / ヒャッカによる、福井・勝山市の飲食店「+ヒトマメ」。食品製造企業が新規事業で運営する大豆食品の魅力を伝えるカフェ。未経験の業態への挑戦に対し、建築や体験の“在り方”にまで立ち返って設計。積雪の為の大屋根が特徴的な地域の“風景のひとつ”となる建築を考案断面図 image©ヒャッカ
以下、建築家によるテキストです。
霊峰白山を背にした山並みとともにある勝山市、そして報恩講を通じて大豆料理に親しみがある福井県。
+ヒトマメは福井県勝山市にある冷凍きざみ油揚げの製造を生業とする山一食品の新規事業である。山一食品は多くの製造業同様、コロナ禍の折に企業運営の岐路にたたされ、ポストコロナ社会への変化に対応するため新規事業の実施に踏み切った。
新規事業はカフェという形式が選択された。
その目的はお客様との直接の接点となるカフェを通じて大豆食品とその食文化の魅力を発信すること、その魅力をさらに高めること。これにより山一食品が将来にわたって地域に愛され、発展し続ける企業へと成長するというストーリーだ。一方、山一食品は創業以来料飲施設の運営実績はなく、本事業は大きな挑戦でもあった。
よって私たちはそのストーリーの実現のため、お客様にどのような体験を提供すべきか、そのために必要な建築はどのようなものか、対話を重ねて計画を具現化していった。
ひと冬のうちに何度も雪下ろしをする勝山では、雪にまつわる多様なふるまいに呼応する大きな屋根を持った家屋が山あいに拡がっている。+ヒトマメは、その風景のひとつになることを目指した。
寄棟のボリュームは地表面の雪と屋根雪が繋がらないよう軒先を高くした。軒下空間は奥行を深くして堆雪と窓の間に空隙をつくり、堆雪の荷重により窓が破損すること防いでいる。
深い軒は夏季には店舗内への直射日光を遮り、涼しげな日陰をつくるとともに、白山の稜線が織りなす美しい景観を内部に取り込む。この軒の操作により、通年で閉塞感なく快適で安全な店舗運営が可能となった。
建物内部には柔らかな大豆色の大きな気積のワンルーム空間が拡がる。頭上の座屈止めの鋼材は、柱材寸を120mm角に抑え、空間におおらかな印象を与えるとともに、床の御影石のラインと相まって空間を緩やかに秩序立てている。空間のレイアウトの変更がしやすく、弾力的な店舗運営を可能にするフレキシビリティを確保した。
創業より丁寧に大豆を扱ってきた山一食品に相応しい、大豆食品とその食文化を志向する建築のありかたを提示した。
■建築概要
所在地:勝山市荒土町新保20-2-4
主用途:飲食店
設計:株式会社ヒャッカ 担当/丸山晴之、野澤真佑、鈴木徹
施工:株式会社タイセー
構造設計:坂田涼太郎構造設計事務所 担当/坂田涼太郎、太田原ナヴィッド崇秀
照明デザイン:BRANCH LITHING DESIGN 中村達基
構造:在来工法(木造)
階数:地上1階
敷地面積:1484.49㎡
建築面積:220.27㎡
延床面積:168.06㎡
設計:2022年6月~2022年11月
工事:2022年12月~2023年7月
竣工:2023年7月
写真:市川靖史
建材情報種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) | 外構・床 | 床 | コンクリート舗装刷毛引き
粟石
芝
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外装・壁 | 外壁 | 杉板 自然塗装
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外装・屋根 | 屋根 | SGL鋼板 AT横葺き
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内装・床 | 床 | 土間コン
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内装・壁 | 壁 | 杉板 自然塗装
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内装・天井 | 天井 | 構造用合板 自然塗装
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