西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築外観、南側より見る。 photo©大木宏之
西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築外観、北東側より見る。 photo©大木宏之
西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築外観、北東側より見る。 photo©大木宏之
西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築正面:オフィス、右:インスペクションA photo©大木宏之
西島光輔 / Inrestudioが設計した、ベトナム・クアンビン省の「The Gamelle」です。
海沿いに建つ製品検査を行う実験棟です。建築家は、用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案しました。また、視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築しました。
ベトナム中部の工場内にある、製品検査を行う小さな実験棟である。
敷地末端の海沿いに立地し、見晴らしの良い建物が想定される一方、プログラムの性質上むやみに潮風を引き入れるわけにもいかない。外郭は機能的な部屋と外部空間を取り囲み、ポーラスな構成は内外環境の調停を図っている。
パヴィリオンのように目を引くと同時に、反対側の風景に視線が通る曖昧な建物を目指した。
飯盒形の外郭で建物を包み込み、潮風や砂塵から身を守る。外郭の閉曲線は内外の境界を明確に規定するが、凹曲面が海岸を向いていることで、内部からは海に開かれているように感じる。半割にした現地の煉瓦を並べることで独特の表情を持った外装は、潮風への耐久性を高めるとともに、周囲の蔦を絡めとれば建物を緑で彩るだろう。
建物の外周にぐるりと配置された大小様々な開口部は、外から眺める視点の移動によって、互いに重なっては反対側の景色を透過したり、離れては景色を遮断したりを繰り返す。ガラスのある窓は室内の活動を映し出し、ない窓は中庭の風景を露わにする。椰子の並木が中庭を横断し、ソリッドな実体は断片的な透明性を獲得する。
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築外観、北東側より見る。 photo©大木宏之
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築外観、北東側より見る。 photo©大木宏之
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築外観、北側より見る。 photo©大木宏之
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築外観、南側より見る。 photo©大木宏之
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築外観、南側より見る。 photo©大木宏之
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築外観、南東側より見る。 photo©大木宏之
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築外観、南東側より見る。 photo©大木宏之
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築外観、南西側より見る。 photo©大木宏之
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築外観の詳細 photo©大木宏之
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築外観、北東側より見る。 photo©大木宏之
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築外観、北東側より見る。 photo©大木宏之
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築外観、北東側より見る。 photo©大木宏之
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築外観、北西側よりエントランスを見る。 photo©大木宏之
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築オフィスからインスペクションA側を見る。 photo©大木宏之
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築正面:オフィス、右:インスペクションA photo©大木宏之
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築オフィスから中庭越しに海を見る。 photo©大木宏之
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築オフィスから海側を見る。 photo©大木宏之
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築インスペクションAからオフィス側を見る。 photo©大木宏之
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築インスペクションAから開口部越しに海側を見る。 photo©大木宏之
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築インスペクションBから開口部越しに外部を見る。 photo©大木宏之
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築配置図 image©Inrestudio
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築平面図 image©Inrestudio
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築屋根伏図 image©Inrestudio
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築前方立面図 image©Inrestudio
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築後方立面図 image©Inrestudio
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築側面立面図 image©Inrestudio
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築断面図 image©Inrestudio
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築断面図 image©Inrestudio
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西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築アイソメトリック image©Inrestudio
以下、建築家によるテキストです。
ベトナム中部の工場内にある、製品検査を行う小さな実験棟である。
敷地末端の海沿いに立地し、見晴らしの良い建物が想定される一方、プログラムの性質上むやみに潮風を引き入れるわけにもいかない。外郭は機能的な部屋と外部空間を取り囲み、ポーラスな構成は内外環境の調停を図っている。
パヴィリオンのように目を引くと同時に、反対側の風景に視線が通る曖昧な建物を目指した。
外形
飯盒形の外郭で建物を包み込み、潮風や砂塵から身を守る。外郭の閉曲線は内外の境界を明確に規定するが、凹曲面が海岸を向いていることで、内部からは海に開かれているように感じる。半割にした現地の煉瓦を並べることで独特の表情を持った外装は、潮風への耐久性を高めるとともに、周囲の蔦を絡めとれば建物を緑で彩るだろう。
平面
外郭内の平面は海岸線に対する6本の垂線で分割され、海から工場の方向に伸びる小部屋が平行に並ぶ。エントランスに続いて執務空間があり、奥が検査室群となる。主要な部屋の片側には中庭が設けられ、外部環境の入力を和らげるダブルスキンの役割を担う。複数の中庭が海側と工場側に交互に配置されているため、建物全体の自然通風を促す。
立面
建物の外周にぐるりと配置された大小様々な開口部は、外から眺める視点の移動によって、互いに重なっては反対側の景色を透過したり、離れては景色を遮断したりを繰り返す。ガラスのある窓は室内の活動を映し出し、ない窓は中庭の風景を露わにする。椰子の並木が中庭を横断し、ソリッドな実体は断片的な透明性を獲得する。
■建築概要
題名:The Gamelle
所在地:ベトナム・クアンビン省
主用途:検品室
施主:Hoang Long Minerals
設計:Inrestudio / 西島光輔 担当/Nguyen Quynh Han
施工:Hoang My SG
階数:地上1階
構造:RC造
敷地面積:47,600㎡(工場全体)
建築面積:174㎡
延床面積:122㎡
設計:2018年3月~2018年7月
工事:2019年9月~2022年5月
竣工:2022年5月
写真:大木宏之