古谷デザイン建築設計事務所による、長野・下高井郡の宿泊施設「GONDOLA HOUSE」。吉阪隆正設計の宿泊施設に並んで計画された新館。既存への“アンサーソング”として、吉阪建築の“親密さを増長し共鳴する”設計を志向。特徴的な形態を踏襲しつつ対比的な“白い外壁”で雪景色とも同化させる外観、左:新館、右奥:本館(設計:吉阪隆正) photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、長野・下高井郡の宿泊施設「GONDOLA HOUSE」。吉阪隆正設計の宿泊施設に並んで計画された新館。既存への“アンサーソング”として、吉阪建築の“親密さを増長し共鳴する”設計を志向。特徴的な形態を踏襲しつつ対比的な“白い外壁”で雪景色とも同化させる外観、西側道路より見る。 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、長野・下高井郡の宿泊施設「GONDOLA HOUSE」。吉阪隆正設計の宿泊施設に並んで計画された新館。既存への“アンサーソング”として、吉阪建築の“親密さを増長し共鳴する”設計を志向。特徴的な形態を踏襲しつつ対比的な“白い外壁”で雪景色とも同化させる2階、ルームA、ダイニングとリビング photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、長野・下高井郡の宿泊施設「GONDOLA HOUSE」。吉阪隆正設計の宿泊施設に並んで計画された新館。既存への“アンサーソング”として、吉阪建築の“親密さを増長し共鳴する”設計を志向。特徴的な形態を踏襲しつつ対比的な“白い外壁”で雪景色とも同化させる3階、ルームB、ダイニングからリビングとキッチンを見る。 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所が設計した、長野・下高井郡の宿泊施設「野沢温泉ロッヂ新館 GONDOLA HOUSE」です。
吉阪隆正設計の宿泊施設に並んで計画された新館です。建築家は、既存への“アンサーソング”として、吉阪建築の“親密さを増長し共鳴する”設計を志向しました。また、特徴的な形態を踏襲しつつ対比的な“白い外壁”で雪景色とも同化させることも意図されました。施設の公式サイトはこちら。
本計画はこの場所に愛着を持つオーナーの思いと吉阪隆正氏の設計思想(野沢温泉ロッヂ,1969年)に敬意を払ったアンサーソングである。
本州では希少なパウダースノーと温泉街の雰囲気が人気の野沢温泉村は長期滞在する外国人観光客が多く訪れている。吉阪氏設計の本館は地元では「アボカドハウス」などと呼ばれ、古くから野沢温泉村のシンボルとして存在しており、元アルペンスキーヤーのオーナーが幼い頃から親しみを持っている原風景でもあった。
その本館が持つ親密さを増長し共鳴するようなものであるためにはどのような建築がふさわしいのか。機能を充足しつつ見た目に愛らしく長く親しまれる場所になってほしい。
冬の野沢温泉でそんな全体像を夢想する時、降り積もる雪景色に同化し消えてしまうようなアノニマスな情景が浮かんだ。形態は踏襲しつつも、本館の板金屋根とコントラストをつけた白い外壁は雪景色と同化する。吉阪氏の建築との関係は、盆栽における主幹と副幹のような主従の関係をイメージした。
以下の写真はクリックで拡大します
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古谷デザイン建築設計事務所による、長野・下高井郡の宿泊施設「GONDOLA HOUSE」。吉阪隆正設計の宿泊施設に並んで計画された新館。既存への“アンサーソング”として、吉阪建築の“親密さを増長し共鳴する”設計を志向。特徴的な形態を踏襲しつつ対比的な“白い外壁”で雪景色とも同化させる外観、南側より見る。 photo©山内紀人
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古谷デザイン建築設計事務所による、長野・下高井郡の宿泊施設「GONDOLA HOUSE」。吉阪隆正設計の宿泊施設に並んで計画された新館。既存への“アンサーソング”として、吉阪建築の“親密さを増長し共鳴する”設計を志向。特徴的な形態を踏襲しつつ対比的な“白い外壁”で雪景色とも同化させる外観、左:新館、右奥:本館(設計:吉阪隆正) photo©山内紀人
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古谷デザイン建築設計事務所による、長野・下高井郡の宿泊施設「GONDOLA HOUSE」。吉阪隆正設計の宿泊施設に並んで計画された新館。既存への“アンサーソング”として、吉阪建築の“親密さを増長し共鳴する”設計を志向。特徴的な形態を踏襲しつつ対比的な“白い外壁”で雪景色とも同化させる外観、西側道路より見る。 photo©山内紀人
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古谷デザイン建築設計事務所による、長野・下高井郡の宿泊施設「GONDOLA HOUSE」。吉阪隆正設計の宿泊施設に並んで計画された新館。既存への“アンサーソング”として、吉阪建築の“親密さを増長し共鳴する”設計を志向。特徴的な形態を踏襲しつつ対比的な“白い外壁”で雪景色とも同化させる外観、西側道路より見る。 photo©山内紀人
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古谷デザイン建築設計事務所による、長野・下高井郡の宿泊施設「GONDOLA HOUSE」。吉阪隆正設計の宿泊施設に並んで計画された新館。既存への“アンサーソング”として、吉阪建築の“親密さを増長し共鳴する”設計を志向。特徴的な形態を踏襲しつつ対比的な“白い外壁”で雪景色とも同化させる外観、開口部の詳細 photo©山内紀人
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古谷デザイン建築設計事務所による、長野・下高井郡の宿泊施設「GONDOLA HOUSE」。吉阪隆正設計の宿泊施設に並んで計画された新館。既存への“アンサーソング”として、吉阪建築の“親密さを増長し共鳴する”設計を志向。特徴的な形態を踏襲しつつ対比的な“白い外壁”で雪景色とも同化させる外観、東側道路より見る。 photo©山内紀人
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古谷デザイン建築設計事務所による、長野・下高井郡の宿泊施設「GONDOLA HOUSE」。吉阪隆正設計の宿泊施設に並んで計画された新館。既存への“アンサーソング”として、吉阪建築の“親密さを増長し共鳴する”設計を志向。特徴的な形態を踏襲しつつ対比的な“白い外壁”で雪景色とも同化させる2階、ルームA、リビング photo©山内紀人
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古谷デザイン建築設計事務所による、長野・下高井郡の宿泊施設「GONDOLA HOUSE」。吉阪隆正設計の宿泊施設に並んで計画された新館。既存への“アンサーソング”として、吉阪建築の“親密さを増長し共鳴する”設計を志向。特徴的な形態を踏襲しつつ対比的な“白い外壁”で雪景色とも同化させる2階、ルームA、ダイニングとリビング photo©山内紀人
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古谷デザイン建築設計事務所による、長野・下高井郡の宿泊施設「GONDOLA HOUSE」。吉阪隆正設計の宿泊施設に並んで計画された新館。既存への“アンサーソング”として、吉阪建築の“親密さを増長し共鳴する”設計を志向。特徴的な形態を踏襲しつつ対比的な“白い外壁”で雪景色とも同化させる2階、洗面台 photo©山内紀人
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古谷デザイン建築設計事務所による、長野・下高井郡の宿泊施設「GONDOLA HOUSE」。吉阪隆正設計の宿泊施設に並んで計画された新館。既存への“アンサーソング”として、吉阪建築の“親密さを増長し共鳴する”設計を志向。特徴的な形態を踏襲しつつ対比的な“白い外壁”で雪景色とも同化させる3階、ルームB、リビングからダイニングを見る。 photo©山内紀人
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古谷デザイン建築設計事務所による、長野・下高井郡の宿泊施設「GONDOLA HOUSE」。吉阪隆正設計の宿泊施設に並んで計画された新館。既存への“アンサーソング”として、吉阪建築の“親密さを増長し共鳴する”設計を志向。特徴的な形態を踏襲しつつ対比的な“白い外壁”で雪景色とも同化させる3階、ルームB、ダイニング photo©山内紀人
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古谷デザイン建築設計事務所による、長野・下高井郡の宿泊施設「GONDOLA HOUSE」。吉阪隆正設計の宿泊施設に並んで計画された新館。既存への“アンサーソング”として、吉阪建築の“親密さを増長し共鳴する”設計を志向。特徴的な形態を踏襲しつつ対比的な“白い外壁”で雪景色とも同化させる3階、ルームB、ダイニングからリビングとキッチンを見る。 photo©山内紀人
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古谷デザイン建築設計事務所による、長野・下高井郡の宿泊施設「GONDOLA HOUSE」。吉阪隆正設計の宿泊施設に並んで計画された新館。既存への“アンサーソング”として、吉阪建築の“親密さを増長し共鳴する”設計を志向。特徴的な形態を踏襲しつつ対比的な“白い外壁”で雪景色とも同化させる3階、ルームB、寝室 photo©山内紀人
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古谷デザイン建築設計事務所による、長野・下高井郡の宿泊施設「GONDOLA HOUSE」。吉阪隆正設計の宿泊施設に並んで計画された新館。既存への“アンサーソング”として、吉阪建築の“親密さを増長し共鳴する”設計を志向。特徴的な形態を踏襲しつつ対比的な“白い外壁”で雪景色とも同化させる手摺の詳細 photo©山内紀人
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古谷デザイン建築設計事務所による、長野・下高井郡の宿泊施設「GONDOLA HOUSE」。吉阪隆正設計の宿泊施設に並んで計画された新館。既存への“アンサーソング”として、吉阪建築の“親密さを増長し共鳴する”設計を志向。特徴的な形態を踏襲しつつ対比的な“白い外壁”で雪景色とも同化させる外観、南西側より見る、夜景 photo©山内紀人
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古谷デザイン建築設計事務所による、長野・下高井郡の宿泊施設「GONDOLA HOUSE」。吉阪隆正設計の宿泊施設に並んで計画された新館。既存への“アンサーソング”として、吉阪建築の“親密さを増長し共鳴する”設計を志向。特徴的な形態を踏襲しつつ対比的な“白い外壁”で雪景色とも同化させる外観、左:新館、右奥:本館、夜景 photo©山内紀人
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古谷デザイン建築設計事務所による、長野・下高井郡の宿泊施設「GONDOLA HOUSE」。吉阪隆正設計の宿泊施設に並んで計画された新館。既存への“アンサーソング”として、吉阪建築の“親密さを増長し共鳴する”設計を志向。特徴的な形態を踏襲しつつ対比的な“白い外壁”で雪景色とも同化させる配置図 image©古谷デザイン建築設計事務所
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古谷デザイン建築設計事務所による、長野・下高井郡の宿泊施設「GONDOLA HOUSE」。吉阪隆正設計の宿泊施設に並んで計画された新館。既存への“アンサーソング”として、吉阪建築の“親密さを増長し共鳴する”設計を志向。特徴的な形態を踏襲しつつ対比的な“白い外壁”で雪景色とも同化させる1階平面図 image©古谷デザイン建築設計事務所
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古谷デザイン建築設計事務所による、長野・下高井郡の宿泊施設「GONDOLA HOUSE」。吉阪隆正設計の宿泊施設に並んで計画された新館。既存への“アンサーソング”として、吉阪建築の“親密さを増長し共鳴する”設計を志向。特徴的な形態を踏襲しつつ対比的な“白い外壁”で雪景色とも同化させる2階平面図 image©古谷デザイン建築設計事務所
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古谷デザイン建築設計事務所による、長野・下高井郡の宿泊施設「GONDOLA HOUSE」。吉阪隆正設計の宿泊施設に並んで計画された新館。既存への“アンサーソング”として、吉阪建築の“親密さを増長し共鳴する”設計を志向。特徴的な形態を踏襲しつつ対比的な“白い外壁”で雪景色とも同化させる3階平面図 image©古谷デザイン建築設計事務所
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古谷デザイン建築設計事務所による、長野・下高井郡の宿泊施設「GONDOLA HOUSE」。吉阪隆正設計の宿泊施設に並んで計画された新館。既存への“アンサーソング”として、吉阪建築の“親密さを増長し共鳴する”設計を志向。特徴的な形態を踏襲しつつ対比的な“白い外壁”で雪景色とも同化させる断面図 image©古谷デザイン建築設計事務所
以下、建築家によるテキストです。
既存建築への共鳴
本計画はこの場所に愛着を持つオーナーの思いと吉阪隆正氏の設計思想(野沢温泉ロッヂ,1969年)に敬意を払ったアンサーソングである。
本州では希少なパウダースノーと温泉街の雰囲気が人気の野沢温泉村は長期滞在する外国人観光客が多く訪れている。吉阪氏設計の本館は地元では「アボカドハウス」などと呼ばれ、古くから野沢温泉村のシンボルとして存在しており、元アルペンスキーヤーのオーナーが幼い頃から親しみを持っている原風景でもあった。
その本館が持つ親密さを増長し共鳴するようなものであるためにはどのような建築がふさわしいのか。機能を充足しつつ見た目に愛らしく長く親しまれる場所になってほしい。
冬の野沢温泉でそんな全体像を夢想する時、降り積もる雪景色に同化し消えてしまうようなアノニマスな情景が浮かんだ。形態は踏襲しつつも、本館の板金屋根とコントラストをつけた白い外壁は雪景色と同化する。吉阪氏の建築との関係は、盆栽における主幹と副幹のような主従の関係をイメージした。
雪下ろしの軽減を目的とした建築形態は、3mを超える積雪を受け流すことで荷重を低減し一般流通材による架構を可能とした。さらに耐震要素の筋交いは、本館のオマージュで、あえて開口部に設置している。
本館は細かな個室群の構成であるのに対して、新館では家族で長期滞在する海外からのゲストをターゲットとし、3階はスペースを有効に使うことで5~7名がゆったりと滞在を楽しめる空間を設計している。敷地至近の長坂ゴンドラに乗り頂上に向かう高揚感と同様に、滞在者が周辺の景観を楽しみ、村の文化に触れるゴンドラ的空間になることを望んでいる。
本館の建築の際は20人規模の大工さんが集結し、地元の体育館で原寸図を書き起こし、難しいおさまりを解決していったという。今回新館も、オーナーと意を共にする地元大工さんの紹介により縁を繋ぎ、着工に漕ぎつけている。ふたつの建築が今シーズン動き出した。落ち着いた頃には本館の改修も行う予定である。
■建築概要
作品タイトル:野沢温泉ロッヂ新館 GONDOLA HOUSE
所在地:長野県下高井郡野沢温泉村豊郷大湯7812
主要用途:ホテル(簡易宿所)
───
設計
建築・監理:古谷デザイン建築設計事務所 担当/古谷俊一、豊島香代子、伊藤丈治
構造:KAP 担当/萩生田秀之、山口力
───
施工
建築:トライワークス 担当/関徳明
電気・空調:アース電設 担当/鹿田朋夫
水道・衛生:小野りんご園 担当/小野雅弘
プレカット:アスカ木材 担当/笠松弘幸
テクノウッドワークス 担当/馬場雅弘、山本英也、佐久間範之
サッシ:タカサワマテリアル 担当/小川裕介
木工事:田中建築所 担当/田中優哉
屋根:和田工板 担当/和田満
塗装:永井塗装 担当/室伏哲平
───
主体構造:木造 一部、鉄筋コンクリート造
階数:地上3階
敷地面積:93.39㎡
建築面積:64.65㎡
延床面積:173.85㎡
1階:53.70㎡
2階:64.65㎡
3階:55.50㎡
設計期間:2022年8月~2023年3月
施工期間:2023年4月~2023年10月
竣工:2023年10月
写真:山内紀人
建材情報種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) | 外装・屋根 | 屋根 | アスファルトシングル葺き:SHINGLE(田島ルーフィング)
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外装・床 | 駐車場 床 | 土間コンクリート刷毛引き仕上 t=100mm
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外装・壁 | 外壁 | アスファルトシングル葺き:SHINGLE(田島ルーフィング)
コンクリート打放仕上げ+撥水材:ランデックスコート(大日技研工業)
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外装・壁 | 駐車場 壁 | コンクリート打放し+撥水材
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外装・天井 | 駐車場 天井 | コンクリート打放し+撥水材
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内装・床 | 2階LDK、寝室 床 | フローリングt=20mm:フレンチパイン170幅(ニッシンイクス)
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内装・床 | 3階LDK、寝室 床 | 遮音フローリング t=14mm:OKS2T(無垢フローリングドットコム)
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内装・床 | SW 床 | ウレタン防水+磁器質タイル t=10:モンペリエ(ダイナワン)
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内装・壁 | 2,3階LDK、寝室 壁 | 構造用合板 [耐力壁] t=12mm+ウレタン塗装
PB t=12.5mm +EP塗装
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内装・壁 | SW 壁 | ウレタン防水
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内装・天井 | 2,3階LDK、寝室 天井 | PB t=12.5mm×2枚貼り+EP塗装
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内装・天井 | 3階LDK、寝室 天井 | 構造用合板t=9mm+ウレタン塗装
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内装・天井 | SW 天井 | ウレタン防水
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内装・造作家具 | 2階洗面室 洗面カウンター | 古材スキー板+レジンコーティング
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