光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える東側外観、開口部を通して向こう側に視線が抜ける。 photo©兼田成乃助 クアッド
光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える北側外観、地域に開かれ、働く姿が見える事務室が望める。 photo©針金洋介
光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える事務室内観、湾曲する通路と、周囲の風景とのつながりを感じられる。 photo©針金洋介
光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える通路、内部動線は見学通路にもなるよう考慮され、地域の人々が工程を見ることができ、安心できるよう配慮した。 photo©針金洋介
光浦高史 / DABURA.mが設計した、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」です。
美容液の開発製造を行う建築です。建築家は、地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築しました。また、自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶えます。
本施設は、ラッシュリフト用まつげ美容液の開発製造施設(工場)である。
大分県佐伯市の麦畑地帯、蛇行する河川、集落道路、高速道路橋が交差する敷地に建つ。
事業主は、働く人・地域の人・環境に優しく、人々に愛される製品作りをしていきたいという想いを持ち、地域と共に成長し、地域の誇りとなり、愛され、誰もが働きたくなる工場を目指して私達に設計を依頼した。敷地は事業主が幼少期を過ごしたエリアに有り、事業主が幼い頃、学校の帰り道にあった工場の職員さんとの交流の記憶が、その様な地域に根差した工場作りを思い立つきっかけとなっている。
今回施設を設計するにあたり、単純な門型フレームの小さな変化の積み重ねによって柔らかい形を獲得し、機能的でありながらも抑揚のある特徴的な空間の実現を目指した。曲面屋根は各室の用途に適した天井の高さを緩やかに繋げており、平面的な湾曲は、隣接する麦畑と建物の間に余白を生み出している。
工程を可視化したクリーンルームを中心に据えた機能的なレイアウトとし、内部動線は見学通路にもなるようにし、それらが外部からも見えるようにする事で、地域の人々が汚染や公害の不安を感じず、安心でき、親しみを感じて気軽に立ち寄れる工場となるよう検討した。
快適な労働環境の実現にも注力し、自然光を取り入れた、周囲の麦畑の風景を望める事務室と開発・製造室とした。一般的に工場は暗い・閉鎖的・単調であるなど、地方都市での働く環境としてネガティブに捉えられることが多いが、この施設では若い世代でもポジティブに働きたいと思えるような空間づくりを目指した。
※写真の下のキャプションは設計者によるものです
以下の写真はクリックで拡大します
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光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える鳥瞰、北東上空より望む。周辺には麦畑が広がる。 photo©兼田成乃助 クアッド
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光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える敷地上空より見る。 photo©兼田成乃助 クアッド
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光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える東側外観、開口部を通して向こう側に視線が抜ける。 photo©兼田成乃助 クアッド
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光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える外観、南東側上空より望む。見る角度によって屋根の形状が様々に変化するように感じられる。 photo©兼田成乃助 クアッド
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光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える東側外観、開口部を通して向こう側に視線が抜ける。 photo©針金洋介
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光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える外観、北西上空より望む。 photo©兼田成乃助 クアッド
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光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える北側外観、地域に開かれ働く姿が見える事務室。 photo©針金洋介
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光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える北側外観、地域に開かれ、働く姿が見える事務室が望める。 photo©針金洋介
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光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える西側外観、柔らかい曲面を取り入れた建築が「工場」のイメージを転換し、まつげ美容液の製造という用途を想起させる。 photo©針金洋介
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光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える事務室内観、周囲の自然あふれる景観を望める事務室。 photo©針金洋介
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光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える事務室内観、湾曲する通路と、周囲の風景とのつながりを感じられる。 photo©針金洋介
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光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える通路 photo©針金洋介
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光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える通路、内部動線は見学通路にもなるよう考慮され、地域の人々が工程を見ることができ、安心できるよう配慮した。 photo©針金洋介
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光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える製造室、製造工程が外部から可視化され、従業員が豊かな麦畑の風景を感じながら働くことができるクリーンルーム。 photo©針金洋介
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光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える北側外観、夕景 photo©針金洋介
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光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える北西側外観、夕景 photo©針金洋介
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光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える西側外観、夕景 photo©針金洋介
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光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える付近見取り図 image©DABURA.m
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光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える平面図兼配置図 image©DABURA.m
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光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える立面図 image©DABURA.m
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光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える連続断面図 image©DABURA.m
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光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える構造図 image©DABURA.m
以下、建築家によるテキストです。
工場建築を地域と環境に開く
本施設は、ラッシュリフト用まつげ美容液の開発製造施設(工場)である。
大分県佐伯市の麦畑地帯、蛇行する河川、集落道路、高速道路橋が交差する敷地に建つ。
事業主は、働く人・地域の人・環境に優しく、人々に愛される製品作りをしていきたいという想いを持ち、地域と共に成長し、地域の誇りとなり、愛され、誰もが働きたくなる工場を目指して私達に設計を依頼した。敷地は事業主が幼少期を過ごしたエリアに有り、事業主が幼い頃、学校の帰り道にあった工場の職員さんとの交流の記憶が、その様な地域に根差した工場作りを思い立つきっかけとなっている。
今回施設を設計するにあたり、単純な門型フレームの小さな変化の積み重ねによって柔らかい形を獲得し、機能的でありながらも抑揚のある特徴的な空間の実現を目指した。曲面屋根は各室の用途に適した天井の高さを緩やかに繋げており、平面的な湾曲は、隣接する麦畑と建物の間に余白を生み出している。
工程を可視化したクリーンルームを中心に据えた機能的なレイアウトとし、内部動線は見学通路にもなるようにし、それらが外部からも見えるようにする事で、地域の人々が汚染や公害の不安を感じず、安心でき、親しみを感じて気軽に立ち寄れる工場となるよう検討した。
快適な労働環境の実現にも注力し、自然光を取り入れた、周囲の麦畑の風景を望める事務室と開発・製造室とした。一般的に工場は暗い・閉鎖的・単調であるなど、地方都市での働く環境としてネガティブに捉えられることが多いが、この施設では若い世代でもポジティブに働きたいと思えるような空間づくりを目指した。
実現した外観や空間体験は、地方の製造業で働くことへのイメージ転換に繋がり、実際に求人募集に対しては、若い女性をはじめとする18名からの応募もあった。開所式では餅撒きも行われて多くの地域の人達が集まり、地域の新しい要素として受け入れられ、愛される工場建築となったと感じる。
施工では地域の技術力向上を考慮し、地元の工務店や鉄工所を採用した。これまでにない曲面の建物に苦労したが、関係者が皆協力して取り組み、地域の潜在力を引き出せたことで、関わった人々にとっても思い入れのある場所となったと思う。
本施設は製造だけでなく製品の活用施術などについて発信する場ともなる。製品の発送先は日本全国に渡り、製品だけでなく人的交流の場としてもこの場所が地域と全国を結ぶ拠点ともなっていくだろう。
■建築概要
名称:U meme Lab.
所在地:大分県佐伯市
主用途:化粧品開発製造施設
設計:DABURA.m株式会社 担当:光浦高史、世古みずき、宮野行雲
構造設計:XYZ structure一級建築士事務所 担当:荒木康佑
施工:谷川建設工業株式会社 担当:宮下久輝、酒井英樹
構造:鉄骨造
階数:地上1階
敷地面積:490.37㎡
建築面積:123.07㎡
延床面積:119.91㎡
建蔽率:25.09%(許容70%)
容積率:24.45%(許容400%)
設計・監理:2022年3月~2022年8月
工事:2022年12月~2023年4月
竣工:2023年4月
撮影:針金洋介(針金建築写真事務所)、兼田成乃助(株式会社クアッド)