深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
深江康之建築設計事務所が設計した、大阪市の「幼保連携型認定こども園 淡路幼稚園」です。
増改築された園舎の建替計画です。建築家は、園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案しました。また、建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図されました。
大阪市東淀川区東淡路。多様に交差する路線の高架化や駅周辺の再開発事業を背にし、住宅密集地に建つ認定こども園。
昭和2年よりこの地で幼稚園を開園し増改築を繰り返し行ってきた4階建て既存園舎の老朽化に伴い、また105名を受け入れる「幼保連携型認定こども園」への移行として建て替える事になった。
旧園舎は増改築の跡が色濃く残り、自分の立ち位置(園児の行動範囲)を見失いそうな空間に構築されていた。長い年月の間に土地区画の変更もあり、西側の隣地境界は旧園舎の外壁面まで後退し、隣家と旧園舎とが緊密な状態で背を合わす状態だった。そこには光も風も届かず、滑り込む雨水が残り、不快さがあった。
園児たちが、方向性(方位と時間と季節と建築の形式)を素直に感じ取れる空間づくりと、複雑な様式の場で保育を行っていた既存園舎と周辺との関係性から、整った形式で園舎をスケールダウンさせる手法をとり、建築が在ることで密集地の濃度の緩和を能動的に目指した。
中央に長く視線が外部まで広がる廊下を軸として、立ち位置や整った方向性を園児たちへ示しながら園庭側に保育室、遊戯室を配置した。2階の3~5歳児保育室はフロアレベルで庇を伸ばし、園児たちが怖がらず窓辺で過ごせるように内と外の間の中間の領域をつくった。
1階の0~2歳児保育室は、東側の朝日の時間帯に配置しているため、天井までの木製ガラス框戸からの均一な明るさが終日降り注ぐよう計画した。反対に西側は、こども園として必要な諸室やトイレ、子育て支援室を機能的に配置し積層させた。西側開口部からの光は、透過材と中央軸を介し、視覚的に保育室まで届いた。素直に「行動と目線」が広がる空間を内包した園舎となった。
以下の写真はクリックで拡大します
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 image©深江康之建築設計事務所
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図 image©深江康之建築設計事務所
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深江康之建築設計事務所による、大阪市の「淡路幼稚園」。増改築された園舎の建替計画。園児が居場所を認識でき季節や時間を感じる空間を目指し、廊下を軸にした諸室の配置と光や視線が抜ける構成を考案。建ち方は周囲の密集した状況の緩和も意図
以下、建築家によるテキストです。
大阪市東淀川区東淡路。多様に交差する路線の高架化や駅周辺の再開発事業を背にし、住宅密集地に建つ認定こども園。
昭和2年よりこの地で幼稚園を開園し増改築を繰り返し行ってきた4階建て既存園舎の老朽化に伴い、また105名を受け入れる「幼保連携型認定こども園」への移行として建て替える事になった。
旧園舎は増改築の跡が色濃く残り、自分の立ち位置(園児の行動範囲)を見失いそうな空間に構築されていた。長い年月の間に土地区画の変更もあり、西側の隣地境界は旧園舎の外壁面まで後退し、隣家と旧園舎とが緊密な状態で背を合わす状態だった。そこには光も風も届かず、滑り込む雨水が残り、不快さがあった。
現況の接道道路幅員は2m程度しか無く、建築基準法附則5項道路のため道路後退の必要と、地盤面は接道道路より+0.85m程度の位置にあり、南・東・北側は高さ1m以上の石積み擁壁で覆われていた。擁壁撤去の上、新設工事(プレキャストL型擁壁)を必要とした。また、園庭は南側に隣接する系列法人が運営する保育園の園児たち80名も利用する環境であった。
園児たちが、方向性(方位と時間と季節と建築の形式)を素直に感じ取れる空間づくりと、複雑な様式の場で保育を行っていた既存園舎と周辺との関係性から、整った形式で園舎をスケールダウンさせる手法をとり、建築が在ることで密集地の濃度の緩和を能動的に目指した。
中央に長く視線が外部まで広がる廊下を軸として、立ち位置や整った方向性を園児たちへ示しながら園庭側に保育室、遊戯室を配置した。2階の3~5歳児保育室はフロアレベルで庇を伸ばし、園児たちが怖がらず窓辺で過ごせるように内と外の間の中間の領域をつくった。
1階の0~2歳児保育室は、東側の朝日の時間帯に配置しているため、天井までの木製ガラス框戸からの均一な明るさが終日降り注ぐよう計画した。反対に西側は、こども園として必要な諸室やトイレ、子育て支援室を機能的に配置し積層させた。西側開口部からの光は、透過材と中央軸を介し、視覚的に保育室まで届いた。素直に「行動と目線」が広がる空間を内包した園舎となった。
構造は鉄筋コンクリート造と強固な形式であるが、ラーメン構造を採用し、柱サイズとスパンの佇まいを保育室に合わせ、光と視線の抜けが十分に存在できる空間とした。屋根スラブには躯体防水を採用し形態を簡素化にすること、敷地内にできる限りの広さの園庭を配すること、北及び西側の外壁線は中木1本分が成長できる位置まで境界線より離し余白をつくることで、周辺環境より空間の濃度を下げた。
密集地にできた大きな光の溜まり場(周辺環境に囲まれた園舎と園庭)に、園児たちの声や仕草や笑顔や泣き顔などがある日常の風景が、永く地域との関わりを生み出していくのではないだろうか。そう、望んでいる。
■建築概要
作品名:幼保連携型認定こども園 淡路幼稚園
所在地:大阪市東淀川区東淡路
種別:新築工事
用途:幼保連携型認定こども園
構造:鉄筋コンクリート造
階数:地上2階
設計:株式会社深江康之建築設計事務所
構造:海野構造研究所
施工:株式会社藤木工務店
敷地面積:1296.61㎡
建築面積:479.95㎡
延床面積:902.68㎡
設計期間:2019年7月〜2020年2月
解体期間:2020年3月〜2020年7月 ※既存園舎解体及び道路後退に係る擁壁工事
施工期間:2020年8月〜2021年3月
竣工年月:2021年3月
撮影:笹倉洋平 / 笹の倉舎