山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 50年前に森林公園と指定された北の丸公園。50年前に植林された木々も育ち、山田守及び当時の工事関係者が思い描いていた風景となった。時間をかけて出来上がった森に浮かぶ日本武道館の大屋根のイメージを継承した。 photo©SS Co.,Ltd. Naohiro Ogura
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 365日の9.5割以上の稼働率で多くの人々から愛されている建築である。日本武道館はあくまでも武道館。建設当初の理念に立ち返り大きく形を変えず、新しい時代を生き抜く力を持つように、細部に装飾するように丁寧に設計を行った。 photo©SS Co.,Ltd. Naohiro Ogura
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 大道場。日本武道館は、武道場としての方向性を出す必要があったことと、観客の視線が40m以内で均等になるように八角形となっている。また通常は日章旗が掲げられている。大道場の天井は、既存デザインの形状を残すため天井裏で追加補強を行う。 photo©山田新治郎
山田守建築事務所 が設計した、東京・千代田区の「日本武道館」です。1964年に山田守 が完成させた建築を2019年・2020年と段階的に増築・改修しています。施設の公式ページはこちら 。
日本武道館は、1964年アジア開催初の東京オリンピックを機に建設された。建設地は、皇居北の丸の一角であり、現在森林公園として整備開放された北の丸公園である。
多くの人々に愛され維持され続けてきた日本武道館は、2020年東京オリンピック開催に伴い、柔道・空手競技会場に決定した。オリンピックを機に施設性能の向上及び将来も末永く利用されるよう増改修工事が行われることとなった。
北の丸公園に建つ半世紀以上を経た歴史ある建築の保存継承の仕方も一つの課題であったため、イメージを継承する形で意匠性の向上及び安全性の向上を図りながら丁寧に設計を行った。
以下の写真はクリックで拡大します
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 竣工当時の日本武道館。屋根は銅の茶色であり、周辺の環境も森林公園とする方針は決まっていたがまだ整備されていない。
日本武道館は、1964年東京オリンピックを機に武道を愛好する国会議員各位の熱意と、政府、財界並びに国民の総意による力強い支援によって創建された。2020年東京オリンピックで再び会場に指定されたことを機に施設性能の向上及び将来も末永く利用されるよう増改修工事が行われることとなった。 photo courtesy of 山田守建築事務所、撮影者不明
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 設計コンペで山田守が選定された時点で、すでにオリンピックまで1年2ヶ月後に迫っていた。工事期間わずか12ヶ月。関係者の昼夜を分かたぬ奮闘によって完成した。また、数々の記録からもその熱量が伝わってくる。設計も掘削が行われている2ヶ月の間でより詳細な図面が描かれていった。今回、再び半世紀以上の時を経て、元設計の山田守建築事務所と元施工の竹中工務店が日本武道館の元に集結した。 photo courtesy of 山田守建築事務所、撮影者不明
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 多くの人々に愛される日本武道館を次の世代へレガシーとして継承するために工事作業員延べ人数9万人規模の大改修工事であった。工事関係者一同 日本武道館内に秘められている伝統が継承されると共に日本武道館の更なる成長を願う。 photo©SS Co.,Ltd. Naohiro Ogura
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 50年前に森林公園と指定された北の丸公園。50年前に植林された木々も育ち、山田守及び当時の工事関係者が思い描いていた風景となった。時間をかけて出来上がった森に浮かぶ日本武道館の大屋根のイメージを継承した。 photo©SS Co.,Ltd. Naohiro Ogura
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 既存棟南に中道場棟を新設。地上階に公園利用者も利用できるレストランや既存棟を補完するためのトイレなどが整備されている。 photo©SS Co.,Ltd. Naohiro Ogura
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 365日の9.5割以上の稼働率で多くの人々から愛されている建築である。日本武道館はあくまでも武道館。建設当初の理念に立ち返り大きく形を変えず、新しい時代を生き抜く力を持つように、細部に装飾するように丁寧に設計を行った。 photo©SS Co.,Ltd. Naohiro Ogura
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 山田守は、金の擬宝珠は、武道の心のシンボルと語る。引き続き避雷針としての役割も担っている。 photo©山田新治郎
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 北の丸公園との調和及び緑青を再現するために、既存の経年変化した銅板を詳細に調査した。既存の色の傾向から、8色の色を作成し混ぜ合わせながら葺いた。 photo©山田新治郎
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 天候や見る角度によりさまざまな表情が浮かぶ。 photo©山田新治郎
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 既存の外観を大きく変えないため、擬宝珠下の換気ガラリを一部排煙窓に改修し、大道場に自然排煙を確保し安全性の向上を行った。 photo©山田新治郎
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 山田守は、富士山の曲線をモチーフに武道の精神を表現した。その曲線がより強く受け継がれるように配色の検討を行った。 photo©山田新治郎
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 武道館を訪れた多くの人の記憶に残る外観も大きく変えず、外壁の塗装は、経年変化した部分なども考慮して時間の経過の流れをリセットしないような塗装色で塗り替えを行った。 photo©SS Co.,Ltd. Naohiro Ogura
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 機能及び安全性の向上として空調の設置、防火区画の見直し及びスプリンクラーの完備、メンテナンス性をクリアしながら光膜ルーバー天井を採用し照明を天井内に隠蔽させた。竣工当時のヒノキの壁のイメージを復活させた。 photo©山田新治郎
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 1階ロビー光膜ルーバー天井。竣工当時と同じルーバー寸法に戻し、使用されている六角形の照明器具も再利用した。 photo©山田新治郎
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 2階ロビーには、山田守がよく設計で多用していた丸ガラスブロックを新たにアクセントとして設置した。2階の廊下に公園の光を取り入れるためでもある。アクセントとして一部壁の色を変えてリズムを生み出した。 photo©山田新治郎
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 2階ロビーの天井形状は、新設する設備のため、大きく形を変えた。壁の色は、山田守が京都タワーの塔の色でも使用していたミルキーホワイトの色を採用。床は1階のテラゾの床の模様を2階でも採用した。建具の取手などの細かなものに関しても竣工当時と同じ形状を継承や復活をさせる方針とした。 photo©SS Co.,Ltd. Naohiro Ogura
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 大道場。日本武道館は、武道場としての方向性を出す必要があったことと、観客の視線が40m以内で均等になるように八角形となっている。また通常は日章旗が掲げられている。大道場の天井は、既存デザインの形状を残すため天井裏で追加補強を行う。 photo©山田新治郎
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 照明を全面LED化により白く明るい大道場となった。竣工後に、方位によって色分けされた客席の色彩計画を引き継ぎ、全体が調和するように色彩の調整を行った。 photo©山田新治郎
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 いかなるときも降ろすことのない日章旗。今回工事で一時降ろされることとなり再び掲げられた。LED照明により前とは雰囲気も変わる。 photo©SS Co.,Ltd. Naohiro Ogura
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 客席については、常設車いす席の設置など、多様な利用者のニーズに配慮し、より多くの人々が利用できるように可能な限りの整備が進んだ。 photo©SS Co.,Ltd. Naohiro Ogura
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 追加補強を行った大道場の天井裏。 photo©山田新治郎
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 八角形の各所に配置されるトイレは、トイレブースの扉の色を方位によって変える工夫をした。 photo©SS Co.,Ltd. Naohiro Ogura
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 上部欄間から公園の降り注いだ光が丸ガラスブロックを通じて広がっていく。 photo©山田新治郎
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 竣工当時では予想ができなかった女子トイレのニーズを解消するため、トイレの各所に、トイレの個数を調整する切り替え扉を設置した。最大で1.4倍の女子トイレの個数を増やせるようにすることで女子トイレ不足の解消を目指した。また、特にトイレ関係はLGBTの方はじめ多様な来場者に配慮し、性差を感じない色彩とした。 photo©SS Co.,Ltd. Naohiro Ogura
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 地上階のトイレは、公園の光が優しく降り注ぐ明るく美しいトイレとなるようにガラスブロックを採用。 photo©山田新治郎
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 外壁の新設のガラスブロックは、ガラスブロックの上に塗装をすることによりマット感をだし既存部分に調和するように配慮した。 photo©山田新治郎
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 地下階の各控室等は、高い施設の稼働率を考慮すると定期的な内装改修が必須となることを考慮し、仕上げに左右されない室内に特徴的な形状を与えながら豊かな室内空間を目指した。 photo©SS Co.,Ltd. Naohiro Ogura
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 控室の壁には、サクラ材の天然木突板シートを使用することで不燃を確保し、構造上のスリーブの制約等を既存躯体の精度により目地割をなくす形で空間に木質化を図った。また、既存スリーブ・新規の設備を丁寧に調整し空間をまとめ上げた。 photo©SS Co.,Ltd. Naohiro Ogura
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 武道館内に元々あったモチーフを応用し、ルーバーで構成をした光膜天井とした。 photo©山田新治郎
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 山田守のデザインに配慮した八角形の特徴ある折り上げ天井とした。 photo©山田新治郎
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 武道大会から戦没者慰霊祭などの国家行事まで多様な使い方がされるため、どの行事にも馴染みやすいデザインとした。 photo©SS Co.,Ltd. Naohiro Ogura
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 武道館の八角形に合わせて八角形の折り上げ天井とし、大道場の天井に通じるデザインを目指した。 photo©山田新治郎
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 さりげない垂れ壁デザインとすることで、部屋を使用する人の個性を包容できる空間を目指した。 photo©山田新治郎
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 天井に制約が多い控室に関しては、垂れ壁をデザインし床の間のような空間に化粧カウンターを設置。山田守に配慮したアール形状とした。 photo©山田新治郎
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 地下階のトイレも建設当時予想ができなかった女性利用者増加にも対応した配慮をはじめ、明るく美しいトイレを目指した。またLED照明に更新した大道場でのイベントでの登壇者などに配慮して各所で可能な限り近い状態で身なりを整えることができるよう照明付きの鏡をデザインするなど細部にも配慮した。 photo©SS Co.,Ltd. Naohiro Ogura
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 シャワー室などの水廻りも細部まで調整を行った。シャワーユニットとすることでプライバシーを高めると共に重量級の選手にも対応できるよう高さにも最大限の配慮をした。 photo©山田新治郎
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 多様な用途に配慮し耐久性のある床材を選定すると共に、天然素材から作られた抗菌効果があり一般の床材と比較して断熱効果も高いリノリウムの床材を選定することにより、裸足で使う選手に配慮した。 photo©山田新治郎
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 既存棟のダイナミックな屋根の反りに対して、増築された中道場の屋根は心落ち着かせるデザインとし屋根の形状はむくりで応答。屋根色も既存棟と同じ屋根色を1色とこぐ僅かに明度・彩度差がある2色を混ぜ合わせて葺いている。既存棟でも使用されている縦ルーバーを設け施設全体の統一感をだした。 photo©山田新治郎
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 新設された中道場。2020東京オリンピック開催に伴い、柔道会場としてのウォーミングアップエリアとして規定を満たすために建設された。公園の光が降り注ぐ400畳のヒノキの床材の剣道場である。壁材には杉板を採用。1枚1枚丁寧に選定しバランスよく配置した。 photo©山田新治郎
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 中道場棟 1階ホール。ホールは、多様な使い方が想定され、時代とともに変化していくことが考えらえる。カバ桜の壁に赤いリノリウムの床にすることで、落ち着いた少し緊張感がある空間の設えとすることにより、ギャラリーなどにも使用できるような空間の可能性を持たせた。 photo©SS Co.,Ltd. Naohiro Ogura
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 中道場棟の多目的トイレ。さまざまな用途に対応できる男女共用トイレを複数まとめて配置することにより、異性の介助者が必要な場合や子連れ、LGBT の方が利用しやすいように配慮し、また、空いているときには一般の利用者が利用しやすいようにも配慮することで共生社会にふさわしい計画とした。既存棟にも同様に多目的トイレを設置した。 photo©SS Co.,Ltd. Naohiro Ogura
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 今回工事に合わせてライトアップの照明工事も行い、夜間景観の向上を図った photo©石井幹子デザイン事務所
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 照明デザインは、武道の殿堂として、また文化発信の聖地として、首都東京の夜間景観を代表する施設例になることを目指した。また月明かりに照らされた富士山を思わせるような、静かで浄らかな光を実現することと、併せて維持管理の容易さを目標とした。
大屋根の頂部の擬宝珠は、超狭角の金色LED投光器が用いられ、鮮やかな光を放ってシンボリックに輝いている。 photo©石井幹子デザイン事務所
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 各階平面図 image©山田守建築事務所
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 既存棟大道場と同じレベルに新しい中道場を建設した。 image©山田守建築事務所
山田守建築事務所による、東京・千代田区の「日本武道館」。1964年に山田守が完成させた建築を増築・改修 手描きの図面をCAD化し、56年間の改修履歴を盛り込む作業が設計図を作成した。また、設計図から施工図・製作図をスタートさせ、内装解体後に実測などの微調整を行い既存の躯体の状況をみながら調整を行った。 image©山田守建築事務所
以下、建築家によるテキストです。
再生と成長
―土地及び武道館のコンテクストを再度読み込み、日本武道館のイメージの継承と北の丸公園との調和を図るー
日本武道館は、1964年アジア開催初の東京オリンピックを機に建設された。建設地は、皇居北の丸の一角であり、現在森林公園として整備開放された北の丸公園である。
多くの人々に愛され維持され続けてきた日本武道館は、2020年東京オリンピック開催に伴い、柔道・空手競技会場に決定した。オリンピックを機に施設性能の向上及び将来も末永く利用されるよう増改修工事が行われることとなった。
北の丸公園に建つ半世紀以上を経た歴史ある建築の保存継承の仕方も一つの課題であったため、イメージを継承する形で意匠性の向上及び安全性の向上を図りながら丁寧に設計を行った。
■建築概要
建築名称:日本武道館
建築主:公益財団法人 日本武道館
所在地:東京都千代田区北の丸公園2番3号
———
・本館(既存棟 改修)
用途:観覧場
面積:21,458㎡(延床面積) 8,422㎡(建築面積)
構造・規模:RC造 一部S造(大屋根)地上3階、地下2階建
竣工年月日:2020年7月
———
・中道場棟(増築)
用途:スポーツ練習場
面積:3,048㎡(延床面積) 1,473㎡(建築面積)
構造・規模:SRC造 一部S造(屋根) 地上1階、地下2階建
竣工年月日:2019年8月
———
設計監理
・改修・増築
山田守建築事務所
意匠:宮原浩輔 永塚忠義 植松千明
構造:高田洋一 中村和行
設備:総合設備コンサルタント 坂口圭志 石田潤
・ライトアップ
石井幹子デザイン事務所
山田守建築事務所
———
施工
・改修・増築・ライトアップ
竹中工務店 細田英一, 瀧澤英明, 西出和弘, 今林一哉, 神薗良彦, 蒲池俊之, 和田武士
電気:日本電設工業
衛生:須賀工業
空調:高砂熱学工業
———
写真撮影:山田新治郎、株式会社エスエス 小椋直浩
ライトアップ写真提供:石井幹子デザイン事務所